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ムジナモとは

 ムジナモとは、モウセンゴケ科ムジナモ属の食虫植物で、きれいな水を好み、かつては沼や水田の水路などに浮遊していました。根がなく水面に浮遊し水中のプランクトン(ミジンコなど)を直接とらえて栄養にすると同時に光合成も行う珍しい植物です。

 ムジナモは、芽の先端(頂芽)が伸びて成長し、茎は全長25cm位になります。

節から6~8個の葉が輪生し、輪葉といいます。輪葉の直径は、1.5~2cm位で、分岐を繰り返し増殖していきます。水温が10℃以下になる11月には頂芽部分が密集し冬芽(とうが)をつくり、水中に沈んで越冬します。

 ムジナモは、7~8月頃の良く晴れた日に、その生育密度により正午から1時間程度、まれに開花することがあります。その後、小さな種子ができ、採取することもできます。その種子から発芽や生育も可能です。

 ムジナモは、全体の形がタヌキの尾の形に似ているのでこの名がつきました。

 ※ ムジナとタヌキは別科のほ乳類であるが、姿がよく似ていて混同される。

捕虫の仕組み

 ムジナモは、閉じ込み式(ワナ式)捕虫をする食虫植物です。捕虫器は、輪葉の先端に付いていて二枚貝のような形状をしています。通常は、開いていて内側に感覚毛があり、ミジンコなどが入り刺激を受けると1/100~1/50秒の速度で閉まります。

 なお、一度目の刺激では閉まらず、複数回の刺激で反応します。その後、捕虫器がだんだん縮まっていき、消化酵素を出して獲物を分解し、養分として吸収します。(写真 ミジンコを捕獲し、閉じた捕虫葉)

 自宅などで育てる場合、積極的に生きたミジンコを与えた方 が生育が良いことも知られています。

                輪葉の拡大写真